落語にハマる

    

先日コロナに感染し、

高熱が出ることはなかったものの

ダルくて、久々に寝込みました。

 

でも、そこそこ元気なもんだから、

退屈で、ついついスマホを見ちゃう。

 

ところが目が痛くてたまらん。

 

そこで、思いついたのが、💡

以前友達から勧められた

 

「志の輔落語」

 

YouTubeを探したら、たくさん投稿

されてる。これって、まずいのでは?

と思いつつも聴き始めたら、どハマり。

 

今じゃ夜寝る前、枕元にスマホを置いて、

クスクス笑って寝落ちするのが

ルーティンになってしまったほどだ。

 

昨日も、師匠の「猿後家」を

聞いていたら、落語は、日本語だから

こそ成り立つと言っていた。

 


www.youtube.com

 

 

英語の場合、自分のことは、Iしかない。

相手が目上であろうが年下だろうが

全てyou。

 

日本語なら私、僕、俺、おいら。

おまえ、あなた、貴様、てめぇ、

いろんなのがある。

 

男1   こんにちは!

男2   お!なんだお前か

 

と表現しただけで、どっちが目上かわかる。

日本語はいろいろ使い分けができて、

便利な言葉だと師匠が枕で言ってた。

 

枕っていうのは、落語家(噺家)が

舞台(高座と呼ぶ)に登場し、座布団

の上に座り、お客さんに来てくれて

ありがとうと、感謝を述べた後、

その時々の時節や時事に触れ、笑いを

とりながら、会場を和ませ、その話題が

演目にスムーズに入るためのお話のこと。

 

海外でも一人でやる芸能はいくら

でもあるけれど、落語という芸能は

世界でみてもとても珍しいのだそうです。

 

噺家がストーリを語り出し、

お客さんがそのストーリの中に

入っていかないと成り立たない。

 

お客さんの頭の中で噺家さんの語る

物語がどのようにイメージできるかは、

噺家さんの腕の見せどころ。

 

こんなに落語にハマっている私ですが、

実を言うと他の落語家さんの

ことは全く知りません。

ということで、落語のことを少しは

勉強してみようと思い、手にとった

本がこちら。

 

 

「落語はこころの処方箋」

立川談慶 著

 

志の輔さんと同じ、談志一門の方。

 

 

落語とは?

この著者の師匠、故・立川談志さんは

「落語とは、人間の業の肯定である」

と言っていたそう。

 

落語を聞いていると、登場人物の

ほとんどが、しょうもない人たちばかり。

落語は、「人間なんてみんなそんな

もんだよ」と認めてくれる。

そして落語に出てくるのは「人間の業」

ですから、誰もが「そうそう、人間って

ダメなんだよね」と共感できます。

だから落語を聞いていると、自然と

共感力が身に付くんです。

 

 

志の輔師匠の「みどりの窓口」という創作

落語では、窓口の職員と訪れるお客との

やりとりがある。

 


www.youtube.com

 

この職員とお客さんとのやりとりは、

身近なことでもあるし、客とのやりとりに

困惑する職員と自分を重ね、こんな客来たら

やだな〜という共感力なんですよね。

 

先日、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』

という本を読んでいることもあり、落語という

素晴らしい文化を持つ日本人なのに、

私たちはいつからこんなに不寛容になったん

だろうと思った。

 

落語を聞けば、心がホッとします。

「なんとかなるさ」と呑気に暮らす

人々がいて、「しょうがねえなあ」と

折り合いをつける世界があります。

 

 

折り合いをつける世界・・・

 

今、私の目の前にいる腹立たしい

同僚も、この落語の世界の

登場人物にしてしまえ。

 

「ちっ!しょうがねえな」と

言ってしまえば、それこそ私も

落語の世界の登場人物になれるって

わけです。