「本日はお日柄もよく」原田 マハ 著

先日、とても知性豊かな

お嬢さんなのに、なぜか見ているだけで、

ホッコリ癒されるYouTuberを

発見し、ファンになってしまいました。

 

そこで、その彼女が読んでいるという

本を片っぱしからポチっていると、

Amazonさんが、これもどうよ?と

言ってきたのが今日の課題図書。

 

 

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「本日はお日柄もよく」原田 マハ 著

 

 

かなり高評価だったので、

これは!と思い、一緒にポチって

しまいました。

 

なので、特別な動機というのは

ないのだけど、スピーチライター

という聴き慣れない職業に興味が

湧いたのと、言葉の力というものを

学べるかもしれないと思ったので、

購入しました。

 

ーあらすじー

主人公の二ノ宮こと葉は、想いを

寄せていた幼馴染の厚志の結婚式に

出席した際、その場の空気を一変させる

スピーチ(言葉)に魅せられる。

それがスピーチライター久遠久美

との出会い。感動したこと葉は、

早速、久遠久美の事務所を訪ね

弟子入りを申し出る。

 

 

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レビューを読んで、知ってはいたけど、

冒頭のスピーチでいきなり泣かされました。

 

もちろん他にも泣ける場面が

いくつかありました。

 

15歳で、両親を突然亡くし、

火葬場で、煙突から煙が上がる

のを見つめる久美さんに呼びかけた

今川のおじさん。

 

なあ、久美ちゃん。

困難に向かい合ったとき、

もうだめだ、と思ったとき、

想像してみるといい。

三時間後の君、涙がとまっている。

二十四時間後の君、涙は乾いている。

二日後の君、顔をあげている。

三日後の君、歩き出している。

 

どうだい?そんなに難しいこと

じゃないだろ?だって人間は

そういうふうにできているんだ。

 

とまらない涙はない。乾かない

涙もない。顔はしたばかり向いて

いるわけにもいかない。

歩き出すために足があるんだよ。 

 

あ〜

 

なんて優しいんだろう。

 

ほんと、全てがパーフェクト

だったな〜。

物語もそして登場人物も。

 

みんな大人だし、問題のある人が

いない。素敵な人たちばかり。

 

これは、こと葉という人物の

フィルターを通した世界だからだ。

 

こと葉が、若い頃の私だったら?

育った環境があまりにもかけ離れて

いるのもあるけど、身近に素晴らしい

人がいたのに気がつかなかったと思う。

 

これが「育ち」というもの。

 

それを久々に痛感させられた本だった。

 

でも、この本の登場人物のように

何かに挑み、本気で取り組んだ

人というのは、それだけで

素敵だし、本当の優しさを

知っているのだろうと思いました。

 

 

 

おまけ

 

スピーチライターにとって必要な

スキル。

 

クライアントの話を徹底的に聞く。

その人の声の調子、話し方、話す

速度、何を考えているのか、

どんなことを訴えたいのか、

目指しているものは何か、

その人の哲学、生き方、ポリシーを

共有し、その人を知り尽くす。

 

「こんな仕事を長らくやっていると、

誰かがしゃべっているのを

5分聞いただけで、その人の

考えてることや行く末が

なんとなくわかるのよね」

 

久美さんが言うのを聞いて、

じゃあ失業しても占い師とかに

なれそうだな、などと不謹慎な

ことを考えてしまった。 

 

この場面で、占い師になれそうと

こと葉が言っていますが、

言葉は、仕事や人間関係

で、とても大事なものだと

この本を読んで、今更ながら

考えさせられました。

 

日頃の言葉遣いも気をつけないと。

何を考えているか

みんなにバレバレだわ。

もちろんこのブログもだけどね。(爆)