『野の医者はわらう』 〜心の治療とは何か? 東畑開人 著

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pixabay

 

まだ占いの勉強をしてた頃、

ある占い講座に行った際、

面白いから読んでみたら?と

薦められ、Kindleのサンプルで

ダウンロードまでしたものの、

買わずにいました。

 

なぜ、当時はこの本を

読めなかったのか?

 

おそらく、当時の私は、

自分のことを棚にあげ、

”野の医者”と呼ばれる

怪しげなセラピストたちを

受け入れることができず、

胡散臭いのひとことで

片付けて、読むのを

やめてしまったのだ。

 

医者や専門家が言うなら

間違いないと思っていた

私だけど、世の中そんなに

簡単ではないそうで、

 

このコロナで、お医者さまや、

専門家と呼ばれる人たちの

中には、とんでもな人たちが

紛れ込んでいることを知った。

 

でも怪しいか怪しくないかの

線引きはどこ?

 

とても気になり、今回

この本を読んでみることに

しました。

 

野の医者はわらう』

〜心の治療とは何か?

東畑開人 著

 

 

一体見立てとか診断って何なんだ。

この問いについて、野の医者と

会い続ける中で、私なりの答えが

見えてきた。

見立てとか診断とは、ひとつの

物語を提示することに他ならない。

 

占いもその人の命式をみて、

物語を提示するところがよく

似ていますね。

 

 

野の医者のクライアントは

野の医者なのだ。

 

これも占い界隈あるあるですね。

 

 

マブイセラピーのたえ子さんとの

対話で、著者がお互いの療法を

理解しあえないだろうと思う場面。

 

外科的治療なら、目に見えて治って

いることが明確にわかるが、

心の治療となると、本当に治って

いるのか?そもそも心が完治する

状態すら、我々人間は理解して

ないのだから、それを判断する

ことは非常に難しい。

 

 

ここに登場する心の診療方法が、

まさにカオスで、無責任な言い方

かもしれないが、なんでもありで、

美味しいとこどり、アソート

キャンディのようだ。

 

ヨーガを学んで、潜在意識と

いうものがあると私は信じて

いたけど、目に見えないんだから、

あるかないかなんてわからない。

 

霊を見たと言われれば、その人には

みえたのだろうから、真っ向から

否定するのもおかしい。

 

そして、心の病は、どこからが病で、

どこからが正常なのだろう。

 

考えれば考えるほど、答えは

でない。

 

そして、目に見えて治った

ことがわかる外科的治療と違い、

心の治療は、延々と繰り返され、

果てしなくお金が動く世界だな〜と

感心(良くも悪くも)しました。

 

この本の著者は、京大の博士で、

エリート中のエリート。そして、

臨床心理学者の著者なら「野の医者」

と呼ばれる人々を上から目線で、

胡散臭いといくらでも批判できる

立場なのに、彼らと膝を突き合わせて、

実態を調査する姿は、バランスの

取れた素敵な人だなと思いました。

 

いや〜面白かったな〜

もっと早く読んでおけばよかった

と思ったけど、当時の私には

絶対理解できなかったと思う。

 

やっぱり本は、読みたい時が

読みどきなのね。