スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 著

 

前から読んでみたかった本。

 

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図書館でずっと貸出中だったけど、

やっと借りられた。

 

この本に登場する主人公の祖父は、

いつも「早う迎えにきてほしか」と

つぶやく。

 

身体が思うように動かなくて、

家族の負担になっていると自覚が

あり、あとは死を待つだけとなった

時、私ならどうするだろう。

この本を読みながらずっと

考えていた。

 

この祖父と、私の父は、まるで正反対。

 

生きる気満々だ。

3年前に熱中症で死にかけて以来、

さらにその勢いが増した気がする。

 

散歩や筋トレはもちろん、

炊事洗濯など家事全般全てをこなし、

コロナで自粛が叫ばれる中でも

社交ダンスや、一人カラオケに出かけ、

人生を謳歌している。

 

私が普段通うスポーツジムのお爺ちゃんや

お婆ちゃんたちも父と同じように皆前向きだ。

 

「今日は天気も悪いし、動きたくないな〜と

思ったんだけど、家にいたら、一日中誰とも

話さないでしょ?気が滅入るから来たのよ」

 

と笑顔で、会話を楽しんでいる。

 

何が違うのだろう。

 

病気を患い、足腰が弱り、

心が萎えてしまうというのが

1番の要因だと思うのだけど、

 

 

「人間、骨折して身体を

動かさなくなると、身体も頭も

あっという間にダメになる。

筋肉も内臓も脳も神経も、

すべて連動してるんだよ。

骨折させないまでも、過剰な

足し算の介護で動きを奪って、

ぜんぶいっぺんに弱らせることだ。

使わない機能は衰えるから、

要介護三を五にする介護だよ。

バリアフリーからバリア有りに

する最近の流行とは逆行するけど」

 

たしかに退院直後の祖父は身の

回りのことがほとんどなにも

できず痴呆の症状もひどかった。

 

 

子育てでも親が下手に

手を貸せば、子供の成長の

芽をつむように、老人も

同じなのだ。

 

最後まで自分のことは

自分でできるように

死ぬまで鍛え続けないと

家族の手を焼かせる

ことになると思った。

 

 

スクラップ=屑・無用なもの

ビルド= 築き上げる

 

無用な人間にならぬよう

日々、鍛え続けないと。