「楽園のカンヴァス」原田マハ 著
私は、アートとは無縁で生きて
きたので、この本が読めるか
最初は心配だった。
でも読み始めたら、あまりに
面白くてあっという間に
読んでしまった。
読書系ブロガーさんや
YouTuberさんが絶賛するのも
わかる。
それぐらい濃厚な小説。
どんな本かと聞かれたら、
「時代を超えたルソーを
愛する人々の物語」
最初ルソーという人物を
まったく知らなかったので、
本に登場する絵を一枚一枚
検索して、その絵をじっくり
眺めながら、読み進めた。
ちなみに絵を調べるときに
便利だったのがこのアプリ。
主人公の織絵は、日本屈指の
西洋美術コレクションを所蔵
することで知られる大原美術館
で、監視員をしている。
最初、織絵のイメージは、
監視員=パート=普通のシングルマザー
だったのに、
p29
「早川織絵さん。あなたは、
『一介の監視員』なんかじゃありませんね」
「あなたは、ひょっとして__あの
オリエ・ハヤカワなんじゃないですか?
あなたの名前、僕、記憶しています。
僕が大学院生の頃、流麗なフランス語で
次々に論文を発表している日本人研究者
がいて、学会では話題になっていました。
もう20年近くまえの話だから、すっかり
忘れていましたが」
例えが悪いかもしれないが、
水戸黄門の最後のシーンを彷彿させ、
それまでの織絵に対するイメージが
一変する。
これを機に私はズブズブと
この物語にはまっていった。
どこからどこまでが史実なのか
混乱してしまうけど、とにかく
史実と創作のコラボが見事で、
登場人物たちが、人生をかけて
ルソーの作品を守ろうとする姿勢に
胸打たれる。
そしてラストは、「夢」がどこに
行くのか?予感はあったものの、
ハラハラドキドキ💕
楽しませてもらった。
それにしても原田マハさんって、
すごい人だね。
そんなわけで、ちょっとだけ
アートに興味が湧いてきたので、
今度上京するときは、美術館に
行ってみようと思った。