「あなたにオススメの」 本谷有希子 著

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私が読んだのは無料版。

それでもかなりインパクトの

ある小説だった。

 

私が小さい頃は、漫画や

テレビは人をダメにすると

言われていて、母はそれを

信じ、私が林間学校に行って

いる間にお年玉でコツコツ

貯めて買った大量の

漫画を捨てた。

 

ところが、今では日本の

文化と言われる漫画。

 

私がOLの頃の通勤電車では、

本を読んだり、寝ていない限り、

同じ電車に乗っている人の顔を

覚えられるほど、手持ち無沙汰

だった。

 

けれど今は退屈な時間を

持て余すことはない。

 

 

そんな便利な道具が

スマートフォン。

 

 

今日紹介する

「あなたにオススメの」は、

体にマイクロチップが

埋め込まれている未来のお話。

 

 

ここに登場するのが

 

二児の母親、推子は、 

オンライン推進派。

 

こぴくんママは、オフラインに

こだわる推子のママ友。

 

 

今の時代、ネット廃人という

言葉があるように、ネット漬け=

病気というイメージがあるけど、

この本の未来は、ネット漬け教育

が標準化になっているので、

オフラインにこだわるこぴくんママ

親子は、保育園では、変わり者扱い。

 

 

違いはすべて不幸の元よ。

 

自分はどちらかというと、

オンライン推進派。

もうこの年齢なので、

等質化もへったくれもない

けど、もし自分がこぴくん

ママの立場だったら?

 

そう考えると

 

こぴくんママのこだわり

たい気持ちもすごくわかる。

 

だって文学や映画なんか

迂闊に与えて、物事を深く

考える子になったらどうするの?

この時代に人生の意味なんて

考え始めたら自殺するしか

なくなるじゃない。

 

 

この先、AIに仕事を奪われて

しまう未来では、個性が必要

ないのであれば、結局等質化を

受け入れるか、AIをコントロール

する側にまわるしかないのかも

しれない。

 

 

書き下ろしエッセイ

 

「結婚」や「出産」「育児」

「離婚」「シングルマザー」と

いった活動はすべて、寿命や

金銭や労力を対価に支払って

得ることのできる、天然の

コンテンツなのだ、と。

 

 

以前よく見ていたインコ動画。

そのYouTuberは、これが最後

と言いながら、どんどんインコ

の数が増えていった。

最初はその行動に疑問を持って

いたけど、この本を読んで、

生きている限り、優良な

コンテンツを求めてしまう

のは人間の本能なんだと思った。