「直感力を養う〜 坐禅断食」野口法蔵 著

  

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pixabay

 

 

 

 今日の課題図書は「直感力を養う〜坐禅断食」野口法蔵 著です。

 

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「ポツンと一軒家」という番組がある。そこに時折登場するたった一人で生活する住人、その姿はまさに仙人。この本にもそんなひとりが登場する。

著者によれば、深い谷にあるその家は、修行者も寄せ付けないような雰囲気で、戸も壁も障子も襖もない。天井には大きな穴が空き、ほんの2畳ほどの生活の場。そこに住む人は、詩を書く女性なのだ。その女性との会話。

女性に著者が尋ねる。
P175

「あなたの詩集は、世に出さないのですか?」
「私が死んだら、世に出るかもしれません」
「あまり語らないのは、もったいないですね」
「ご存知でしょうか。ひとりごとでも言葉に発すれば、後々までそれはよみがえって来て思い出します。まして、人に対して発した言葉はそれ自体がひとりになったときに帰ってきて、とてもさみしい思いをします。そういうことで、人と喋ると、その分ひとりのときに戻ってきます。とくに小さなことでも、何度も思い出して頭の中は人恋しくなるのです。語らないのは自分のためなのです」

 



私は言葉は波のようなものではないかと思っていて、空気は見えないけど、言葉を発すると、空気が波のように動き、どこか(誰か)にその言葉は当たって、自分に帰ってくるものだと思うので、あまりネガティブな言葉を吐かないようにしたい。
それにしてもこの女性はなぜそこまで自分を追い込むのだろう。同じ人間でもそれぞれ思い方が違っていて、不思議。

p114

日本の禅のお寺では、洗面器いっぱいのご飯と四リットルの水を、全部食べて、飲まないと入門はさせないところがあります。全部食べたら吐きますが、これができないと生きている資格がないというような無茶苦茶をずっと言い続けます。最初はそれに向かっていきますが、そのうちに悲しくなって、逃げたくなります。その時に初めて自分が突き放せます。心に何も届かない状態になったときに、どう受け答えしてよいかが自分の中から出てきます。自分と言うものを置いていくという訓練です。生ぬるい世界にいると抵抗力を失いますので、つぶれない程度に自分をいじめることが必要です。わざと自分でつらい場面を想定していくのです。 

 

 

理不尽な環境に身を置くことも、時には大事だと著者は言います。カラダを鍛え抜くと、動きや思考がパワーアップするように、心を鍛えることもできるんだね。

 

さて、前回のブログに登場した甲田先生を著者は大変尊敬されていて、甲田先生が亡くなられてから、途絶えてしまった断食学を完成させたいとおっしゃっていますが、

 

p190

先生の最後の1年は足の骨折を繰り返し、段々と弱っていかれたので、ただ一つの教訓は小食でも少しは筋力をつけなければいけないということであろうか。


なるほど。やっぱり筋力大事だそうです。私も生涯現役で働きたいと考えているので、筋力を維持するために毎日トレーニングは欠かせませんし、これからもずっと続けたいと思います。そこで、高齢者の骨折の原因を調べてみると、筋力の低下と骨粗鬆症、そして栄養不足と書かれておりました。なので、修行も大事だけど、断食もほどほどが一番だということを改めて感じました。


P104

インドに行くと、初めはだれでもがインドほど理不尽な国はないと思います。すべてが思う通りにいきません。そのため、いつもおこっている自分がいます。街はあちこちで言い合いがあって非常に騒がしい。しかし、言い合いの後に、すぐに笑っています。感情の切り替えがものすごく早く、おこっていながら、いかっていないというのがインド人です。

 〜略〜

P107

機内では、客とフライトアテンダントがあちこちでけんかしていました。飛行機に乗ったときから、インド社会
らしいのです。インドではけんかなしでは物事は進みません。

 


なるほど〜〜〜
実は3年前にマレーシアから、シンガポールに移動する際、初めて格安航空を使いました。格安とはいえ座席はもちろん指定されております。ところが、私の座る場所に、ポッチャリしたインド人のお婆ちゃんが座っているんです。これはきっと間違っていらっしゃると思い、「マダム、私のチケットをご覧になって。ね?ここは私の席でしょ。」というと、ムッとして、私を無視。しかも後ろにお婆ちゃんの息子らしきおっさんが出てきて、「あなたの席じゃない私たちの席だ」と言うじゃないですか。私はもうびっくりして、CAさんを呼ぶと、インド人の家族に「ハイハイお婆ちゃん、あなたの席はこちらでしょ?早く移動してあげて」と言ってくれました。ところが、お婆ちゃんたら、CAさんを完全無視。

格安航空は、座席の前後の幅が狭い。お婆ちゃんの本当の席は窓側。そして私の席は通路側だったので、きっとお婆ちゃんはトイレが近いから、どうしても通路側に座りたかったのかもと、思い直し、その時は観音様のような気持ちで、仕方なく私が折れて、窓側に座りました。でもこれを読んでめっちゃ納得でした。次は負けないぞ!と言いたいところですが、お婆ちゃんなら許しちゃうだろうな。

 

 

それにしてもインド人恐るべし。