奇跡が起こる半日断食 甲田光雄 著

 

 

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以前、友人から断食に行こうと誘われたのですが、私は、お腹が空き過ぎると手が震えてきたり、軽い風邪のような症状が起こることがあり、お断りをしておりました。ですが、私もすごく興味があったので、断食道場のような場所で本格的にやらなくても、無理せずお手軽な方法があるかもしれないと思い、本を探していたところ、この本に出会いました。

 

しかし、この本を手にして、サっと目を通すと、半日断食で様々な病気が治ったという体験談の内容が多く、なーんだその手の本だったかと、がっかり。そのまま本棚にしまってしまいました。

 

しかし、最近流行っている「LIFESPAN老なき世界」という本や、水野南北先生をはじめとする多くの有識者たちが、小食や断食を勧めるので、これはもう少し調べた方がいいかもしれないと、今回、この「奇跡が起こる半日断食」を読み直すことにしました。

 

 

西洋医学を修めた身でありながら、薬を出さない、注射も打たない医師となり、断食の指導をして約半世紀が過ぎました。長年のみずからの断食の実践、また、指導経験の中でわかったことは、「本来生物とは生命の維持に必要最低限の量」の食糧しか食べなくても良いように体ができている」ということです。

〜略〜

その証拠に、太っていたり、内臓の病気にかかっていたりする野生動物はいません。野生動物は、本能的に、生命を維持するのに最低限必要なカロリー、栄養しかとらないからです。それが彼らの健康を守っています。人間もまた、その例外ではありません。 

 

さらに先生は常識を捨てなさいとおっしゃいます。

 

  • 一日30品目主義は、30品目食べなきゃという強迫観念になって食べ過ぎになる。

 

  • 30品目食べることは、それだけ多くの動植物の「いのち」を殺生している。これは人間本位の差別思想から出た栄養学である。

 

  • 質で食品を選べば30品目は必要ない。我々は、玄米を食べればいいのに精米してしまい、せっかく栄養たっぷりのぬかを捨ててしまっている。砂糖も小麦についても然り。

 

  • 入れることより、出すことが何より大事。食べ過ぎの最大の害は、腸に宿便や老廃物がどっさりたまることです。

 

  • そして、宗教の修行の一つでもある断食は、古来より断食が心身を浄化する最高の方法。

 

 

 

私は親からずっと朝食はしっかり食べなさいと教わってきたし、3食きっちり食べなきゃ!と思ってましたよ。でも、確かに私たちがこれまで当たり前だと思っていたことが、最近になって、そうでもないことがたくさん浮き彫りになってきていますもんね。

 

 

断食は体にとって、このうえもなく迷惑な、危険な仕打ちです。このまま放置したら、たちまち死に追いやられます。体はそれを察知して、体の中にあるあらゆる器官を総動員して、断食による飢餓状態に対して生命を守ろうと必死になってもがきます。

「火事場の馬鹿力」というたとえがありますが、これは、人間は窮地に追い込まれた際、ときとして自分でも信じられないほどの力を発揮するという意味です。我々の体内についても同じことがいえるでしょう。

 

 

 

最近話題の長寿の鍵とされるサーチェイン遺伝子は、カロリー制限をすると、この遺伝子が活発化するそうです。となれば、断食は長生きの秘訣であり、この本に書かれている様々な病気が治るというのは本当かもしれませんね。

 

が!!

 

わたくし、正直言いますと「このやり方で、すべての病気が治せます!」的なことを言われると、根っからのひねくれ者なので、素直にハイそうですかと言えず、断食を否定している人がいないか探してみたくなっちゃう。

 

ということで、探してみたら、断食は確かに様々な病に効果はあるけど、それは一時的なものだと、断食に対して、否定的な本を見つけちゃいました。

 

それがこの本。

 

 

しかもこの著者は、断食生活を28年間、実践していた人でした。なので、断食のデメリットについて、かなり詳細な内容になっています。ただどちらにしても科学的根拠が乏しいので、どちらをチョイスするか難しいですね。後者の方は糖質制限を推奨しているので、私はどちらにしても実践するのは厳しそうです。💦