「ある男」平野啓一郎 著

         

 

今日紹介する本は、

 

「ある男」平野啓一郎 著

 

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平野啓一郎さんの本は、これで

3冊目。

 

あらすじは、静かな村に突然

現れた男性は、自分のことを

あまり語らない物静かな男性だった。

里枝は、この男性(谷口大祐)と

再婚し、子供も生まれ、幸せに

暮らしていた。

 

ところが、ある日突然、最愛の夫を

事故で亡くしてしまう。

 

夫の家族に連絡を取ると、夫の兄が

やってきたが、遺影を前にして、

「これは弟ではない」と言われてしまう。

 

自分が再婚した人物は誰なのか?

 

里枝は前の夫との離婚の際、世話になった

弁護士の城戸に相談をするところから、

物語が始まる。

 

 

 

弁護士の城戸の人生、谷口大祐、さらに

「ある男」の人生・・・・

 

「ある男」とは誰なのか?

 

ミステリーの中に、生い立ち

をめぐる差別や、劣等感、さらには

死生観など、盛りだくさん。

 

他人になりすまし・・・

戸籍交換の仲介者とのやりとり・・

 

読んでいて、弁護士の仕事が、

あまりにも日常からかけ離れて

いて、城戸が家に帰り、妻や

子供と過ごす時間とのギャップが

すごい。

 

 

 

 

p190

 

人はなるほど、「おもいで」

によって自分自身となる。

ならば、他人の「おもいで」

を所有しさえすれば、他人となる

ことが出来るのではあるまいか。

 

 

 

「おもいで」によって

他人になれるという著者の問いかけ

は、再び「私」、「本当の自分」

というものについて考えさせられた。

 

この作品、すでに映画化が

決まっていて、今年の秋には

観れそうです。

城戸の役は、妻夫木くんが

演じるらしい。

 

楽しみ♪〜

 

 

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