映画「ダウンサイズ」
今日紹介する映画のタイトルは、
「ダウンサイズ」
太っちょさんが痩せるネタでは
ありません。
物語は、人口増加における
諸問題を解決するために
人間を小さくする技術が
開発されます。
どれぐらい小さくなるか
というと、180センチある
大人が、わずか13センチ。
小さくなった夫婦二人の
出すゴミは、4年で我々が
使っているゴミ袋1枚で
済んでしまう。
さらに海外に行くのだって、
小さな小箱に入ればFedExで
運んでもらえるのだ。
確かにそれだけ小さければ、
電力の使用量が減り
CO2の排出を削減できる
わね。
いや〜面白い発想だよね。
とはいえ、小さくなる
決断をするのはなかなか難しい。
私たち夫婦の話でいえば、
15年前にマレーシアへ旅行に
行った時、治安の良さ、
住みやすさ、物価の安さに
惹かれ、老後の移住を考えて、
私たち夫婦はビザを取った。
そして今、旦那が還暦を迎え、
いざマレーシアへ！
といきたいところだけど、
あの時の気持ちはどこへやら。
この夫婦、ポール（マット・デイモン）と、
妻のオードリーが躊躇したように
今の生活を手放して、新しい環境で
スタートを切るのはとても難しい。
ましてや、元のサイズに戻れない
となれば尚更だ。
でもこれは映画なので、
決心しないことには、お話が
進みません。
結局、二人はダウンサイズする
決意を固め、友人達と盛大な
お別れパーティーの末、
施術を受けにやってきた。
そして、二人は男女別々の
部屋へ通される。
私はこの場面で、とても嫌な
予感がしていた。
すると案の定、主人公の
ポールが目を覚ますと、妻は
直前になって、小さくなることを
拒み、ポールは一人、ダウンサイズ
された街の住人となる。
いやーなんか切ないよね。
夫婦や親子であっても
そこは尊重しないといけないしね。
でも、別れがあれば、
出会いがあるもの。
ベトナム人のノク・ラン・トラン
（ホン・チャウ）との出会いがあり、
ポールは、少しずつ彼女に惹かれていく。
私はこの映画はコメディ系だと
思って見ていたのだけど、
この辺りから、雰囲気が
変わっていく。
出会ったノクの周りには、
病院へ行くこともできない上に、
食べることもままならない
貧しい人ばかり。
楽園と思われていたこの街にも
光と影があることを知るポール。
そして、ポールが上の階に住む
ドウシャンと、ノクと共に
ノルウェーに行き、この
ダウンサイズの開発者と会う
機会が訪れる。
この開発者は、唐突に南極から
出たメタンガスによって、人類は
滅亡すると言いだした。
そして、彼らコロニーで
暮らす人々は、その対策に
長年準備を進め、ノアの方舟の
ような地下シェルターを作り
上げていた。
それを知ったポールは
「やっと何かを成し遂げら
れる！」と、ポールもシェルター
に行くと言い出した。
対して、ノクは、助けを必要と
している人は地上にいると
真っ向からポールを否定。
それを聞いたポールは、
「彼らを心配して、何になる。
ちっぽけだよ。彼らは生き残れない。
誰一人・・終わりだ。
人類が生き残りをかけるデカい話。
君も人助けをするなら、未来の
彼らを助けろ」
と、ノクに言う。
すると、ドゥシャンたちは、
ポールをクレイジーだと笑う。
彼ら（コロニーの人々）は、
素敵な連中だが…
カルトのようだ。
狂信的さ
絶滅なんて数百年も先だろ。
君には関係ない。
それに連中は普通じゃない。
穴の中で、殺し合いどこよりも
早く絶滅だ。
確かにそうかもしれない。
過去に起きた悲惨な集団の事件が
それを物語っている。
人間が狭い空間に置かれた時、
情報が遮断され、逃げ場もなくなり、
思考が麻痺してしまうからだと
思った。
そして、ポールは一人、
シェルターに向かった。
ところが、途中
何があったのか？
思い直して戻ってきたのでした。
何がきっかけになったのか
さっぱりわからないまま
終わってしまい、ラストだけ、
不満が残りました。
でも、過酷な人生でありながら、
現実を受け入れ、強く生きるノクが、
とても素敵でした。
