お彼岸と鬼門

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先日、神仙思想について調べていたら、

鬼門の思想とお彼岸の考え方は

一致しており、全て道教系のものの

考え方であり、特色であるという

ある文章を読んで、なるほど

そうなのか!と、調べ始めてみたら、

資料が見当たらず、予想外の展開に

なってしまいました。

 

とりあえず、自分が理解できた

ところまで、まとめてみたいと

思います。

 

 

まずは、お彼岸とは?

 

彼岸(ひがん)

 

サンスクリット語の

 

波羅蜜多(はらみった)」から

 

来たものと言われ、

 

悟りの境地のことです。

 

また、煩悩と迷いの我々の世界を

 

此岸(しがん)』と呼び、

 

「六波羅蜜」の修行をすることで、

 

悟りの境地、

 

波羅蜜多=『彼岸(ひがん)』へ

 

到達することができるというわけです。

 

この六波羅蜜というのは、

 

悟りの境地に到達するための

 

六つの修行を指します。

 

 

六波羅蜜

 

お布施(ふせ)

 

物質的なものだけでなく見返りを

求めない施し。

 

 

持戒(じかい)

 

仏教での戒めを堅く守ること。

 

忍辱(にんにく)

 

恥を耐え忍び、心を動かさないこと。

 

精進(しょうじん)

 

雑念を払い、一生懸命、仏の道を

修行すること。

 

禅定(ぜんじょう)

 

心静かに自分自身と向き合い

瞑想すること。

ヨガのディヤーナと同じですね。

 

智慧(ちえ)

 

世間でいう「知恵」とは

意味が違い、この大宇宙の

真理である因果の道理を

理解し、人格を高めること。

 

 

そして、日本における

 

先祖供養の仏事で

 

馴染みのあるお彼岸とは、

 

太陽が真東からあがり、

 

真西に沈み、

 

昼と夜の長さが同じになる

 

春分の日と、秋分の日を挟んだ

 

前後3日の計7日間のことを言います。

 

また、太陽の通り道である黄道、

 

太陽黄経0度が春分で、太陽黄経

 

180度が秋分の位置になります。

 

 

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お彼岸の由来

 

浄土思想での極楽浄土は、

 

西方にあることから、

 

太陽が真東から真西に沈むので、

 

西方に沈む太陽を礼拝し、

 

遥か彼方の極楽浄土に想いを

 

馳せたのが彼岸の始まり

 

で、昼夜・東西が平行になる

 

お彼岸の時期には、「あの世」への

 

ゲートが開くと言われてきました。

 

 

 

これらの行事は、日本独自のもので、

インドや中国の仏教には存在しない

そうです。

 

 

 

次に「鬼門」について調べてみました。

 

 

鬼門

 

「鬼門」という言葉は、中国の

風水や陰陽思想に登場しますが、

日本に古くから伝わる「鬼門」とは

意味が違うそうです。

 

 

この辺りは文献が見つから

ないので、なんとも言えませんが、

私たちが恐れている「鬼門」について

調べてみると、陰陽道が盛んだった

平安時代に日本独自のものとして、

形成されたようです。

 

ちなみに陰陽五行は、飛鳥時代に

 

中国から伝わり、718年には、

 

陰陽寮と呼ばれる組織が作られ、

 

陰陽道に基づく学者や呪術集団を

 

陰陽師と呼び、彼らが「丑寅=北東」

 

の方角を鬼が集まり、出入りする場所

 

と言い出したことから、これ以降、

 

「鬼門」や「裏鬼門」は、

 

日本において、忌み嫌われるように

 

なりました。

 

 

ということで、彼岸と、鬼門それぞれ

調べてみましたが、何をもとに

この二つの思想が一致していると

いったのか、ネットで検索しても

全くヒットせず、とても気になります。

 

なので、今後も引き続き調べていこうと

思いました。