信じる&疑うはセット!「影響力の武器」ロバート・Bチャルディーニ 著

これまで、何度かこのブログで

お伝えしていますが、私が20代の頃、

とあるカルト教団に入信していました。

そして、わずかですが、大切なお金を

失った経験があります。

 

私の場合、その教団を最後まで信じ

切れず、被害は少なく済みましたが、

一緒に暮らしていた信者の多くは、

実家を担保に借金をして、教団に

多額の献金をしていました。

 

今、彼らのことを思いだしては、

どうしているかとても気になります。

 

特に一緒に暮らし、仲良くしていた

可愛いWちゃん。

 

どうしているだろう。

 

そこで、今日は、過去の私を含め、

彼らのような被害者を出さないために

どうしたらいいか?考えたいと思い、

「影響力の武器」という本を読んで

みました。

 

 

「影響力の武器」ロバート・Bチャルディーニ

 

 

この本に書かれていたとある

小さなカルト教団のお話。

 

指導者は、中年の男女。

一人は、内科医で、神秘主義や

超自然現象、空飛ぶ円盤に

長い間興味を持ち、このグループの

人々から尊敬されていました。

 

そしてもう一人が、活動の中心となった

キーチ夫人という人物です。

 

キーチ夫人は、別の惑星から霊的

メッセージを受信できる特殊な

能力があり、その受け取った

メッセージを使い、教団の体系を

作り上げました。

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あるとき、霊的メッセージにより、

世界を飲み込むレベルの大洪水が起こると

予言がありました。

 

このメッセージに、信者たちは

恐れおののきました。

 

しかし、別の惑星からの訓戒を守ることが

できる信者であれば、洪水前に空飛ぶ

円盤が迎えにきて、どこか別の惑星に

連れて行ってもらえることがわかり、

信者たちは、胸を撫で下ろしました。

 

 

信じ、教えを守れば、我々だけは、救われると。

 

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そして、円盤が迎えに来るその日、

信者たちは、静かにその瞬間を待ちました。

 

ところが・・・・

 

時間を過ぎても円盤はやって来ません

でした。

 

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冷静さを失った信者たち。

 

 

本来ならば、キーチ夫人に詰め寄っても

おかしくない状況です。

 

ところが、この後、キーチ夫人は、

自分たちを正当化するための

行動を起こします。

 

 

この騒動以前の信者たちは、世間から

距離を置く、秘密主義的集団でした。

 

ところが、キーチ夫人が自分たちを

正当化するために起こした行動がきっかけ

となり、信者たちは、教団を離れていく

どころか、秘密主義的集団から一転、

世間に認められようと熱心に伝道活動を

する集団に変貌したのでした。

 

なぜ信者たちは、指導者に詰め寄らなかった

のか?

 

また、なぜ彼らは秘密主義から

変わったのか?

 

信者が、円盤に乗る決心をしたということは、

隣人、知人、家族の反対を押し切り、

全てを捨ててきていたからです。

つまり、もう後戻りできないということ。

 

これが唯一の真理だと信じた教団を

否定してしまうと、自分たちは、

社会の笑い者になるだけでなく、経済的

損失は耐え難いものとなってしまうから

です。

 

私がカルト教団から抜け出せた要因は、

いくつかありますが、その一つに、損失が

少なかったからだとこの部分を読んで

理解しました。

 

 

次に彼らが秘密主義から熱心な伝道者に

変貌したのはなぜか?

 

 

自分が信じるこの教団の信念を多くの人

が正しいと思うようになれば、

どんな考えであっても、人はその考えを

正しいとみるようになるからです。

 

 

今では、大きな宗教団体も、最初は

小さいものだったはず。でも多くの

人がそれを正しいと思えば、権力に

さえなるのです。

 

どんな考えでも、それを正しいと思う人が

多ければ多いほど、人はその考えを正しい

と見ることになる。

 

なるほど。影響力というのはそういう

ことなのか!

 

インフルエンサーや有名なトレーダー、

専門家にテレビ。

 

この人たちは、多くの人から信頼され、

影響力があります。彼らはなんと言っても

断言してくれますから。

 

でも彼らを全て信じてしまって

いいのでしょうか?

 

社会的証明のテーマのいう、多くの人が

信じているから私も信じるということは、

悪いことではありません。

 

例えば、

 

Amazonの高評価やレビュー数を

参考に購入して、確かに良い商品と

出会う確率は高いです。

 

でも、自分には合わない商品も

ありました。

 

つまり、何が言いたいかというと

 

多くの人が正しいと思っている考えが、

 

自分にとっての正解かどうかは、

 

誰もわからないのです。

 

そして、私はこの本を読んでいて、

 

「信じる&疑う」という

 

真逆の行為は常にセットで

 

必要だということがわかりました。

 

占いも結果をそのまま信じるのではなく、

 

自分を信じ、疑うきっかけであるべきだと

 

思いました。

 

 

この本には、社会的証明の他にも

返報性の原理、好意、一貫性、希少性、

権威というテーマに分けられ、人へのや影響力

というものが詳細に書かれていて、

ぜひ、若い人に読んで欲しいと思いました。