続くかな?シリーズ「快楽主義 VS 禁欲主義」

 


週間天気予報をみると、

東京の梅雨明けが8月になる

らしい。

 

今年はコロナの流行で

大変なことになっている

のに、各地で洪水。

しかも梅雨明けしないから、

日照時間が不足し、農作物が

今後どうなるのか?心配です。

 

これが江戸時代だったら、

令和飢饉だよ。

 

これからの経済も

不安材料がいっぱい。

 

そんな今だからこそ

哲学や、宗教が見直されて

いるのかなと思います。

 

さて、今日のお題は、

BC300年ごろの

3つのギリシャの

哲学についてです。

 

 

 

 

〜快楽〜

 

この言葉、私には、

ソドムとゴモラのような

享楽的で堕落している

イメージが湧いてくる。

 

辞書で調べてみると、

喜び、幸せ、満足、

心地よく楽しいこと

とあります。

 

また、官能的な欲望の

満足とも書かれて

おりました。

 

私のイメージする快楽は、

あらがち間違っていない

ようです。

 

なぜ「快楽」について

調べたのかというと、

今日テーマの一つが

「快楽主義」などを

盛り込んでいるからです。

 

この「快楽主義」という

思想の始祖である人物が

エピクロスという人。

 

      

 


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私の想像する「快楽」と

このエピクロスの

説く「快楽主義」は、

どうやら意味合いが

違うようです。

 

 さて、エピクロスの

「快楽主義」を

説明する前に

エピクロスの

生きた時代背景と、

同時期に生まれた

2つの哲学に

ついても

ゆるゆると学んで

いきたいと思います。

 

時代は、BC300年ごろ

 

古代ギリシャに

とんでもない

男子が生まれます。

それは

かの有名な

世界征服の王者

 

アレクサンダー大王です。

 

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ギリシャから、果ては、

インドやエジプトまで

手を伸ばし、小さな国から

大きな国まで侵略して

いったのです。

 

すると、それまで

当たり前にあった

自分たちの国が崩壊し、

多くの人々が、

不安に襲われました。

 

そこで、生まれたのが、

3つの哲学の学派です。

 

その一つが先ほどの

エピクロスの

「快楽主義」と

呼ばれる哲学。

 

2つ目は、フェニキア人の

ゼノンから始まった

ストア派の哲学です。

 

 

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この哲学は、スピクロスとは

対照的な「禁欲主義」と

呼ばれるものです。

 

今日でも使われている

「ストイック」という

言葉は、この学派に

由来するそうです。

 

この思想は、

人間が持つ理性

によって、欲望や

感情を律し、それらに

振り回されない人生を

送ることが幸福の

道と考えました。

 

禁欲主義と聞くと、

あれもダメ、これもダメと

とても厳しい哲学のように

思えますが、よくよく調べて

みると、それだけでは

ないようです。

 

ストア派は、

規律正しく生きることが

幸福になる条件であると主張。

 

人生において、

「心の平静」(アタラクシア)

を実現させるためには、

世の中に溢れかえった

心を掻き乱すものを

排除すべく、理性で、

コントロールしようと

いうもの。

そして、欲望に打ち

勝つには、強い理性が

必要。そのため、

禁欲的修行を提唱

しました。

 

 

ライアン・ホリデイ 著

「ストア派哲学入門 」

──成功者が魅了される思考術──

(Kindle の位置No.81)

 

「徳」(おもに自制、勇気、

正義、知恵の四つ)こそが

幸福の鍵であり、悩み苦しみ

の多くは物事そのものより物事

のとらえ方に原因がある、と

考える。私たちがコントロール

できる唯一確かなものは、

*エピクテトスのいう「理性による

選択」だけである。

すなわち、内なる理性を

働かせて、外の世界の物事を

分類し、反応し、それに合わせて

自分を変えていく力である。

 

 

 

このエピクテトスという人は、

ストア派はゼノンにより始まるの

ですが、後期ストア派に登場する

人物です。

 

 

さて、「悩み苦しみ

の多くは物事そのものより物事

のとらえ方に原因がある」と

言っていますね。

 

あれ、どこかで聞いたことが

ある内容じゃない?

 

仏教やヨガで学んできたことと

同じです。

このエピクテトスという人物の

登場した時期は、AC50年頃と

いわれています。

 

大陸はつながっているので、

この時代のギリシャ、そして

古代中国、インドの思想が

行き来し、互いに影響しあって

いたのかしら。

 

 

 

さて、3つ目の

キュニコス派ですが、

犬儒学派とも呼ばれて

います。

 

なぜかというと・・

 

犬のように乞食生活を

していたから

だそうです。

 

?????

 

意味不明ですね。

 

どういうことかというと、

先ほどのアレクサンダー大王

による、戦争などが続けば、

当然これまであった大切な

ものが奪われ、不幸になるわけ

だから、

 

最初から

 

な〜〜〜んも

 

持たなきや

 

奪われないじゃん!!

 

そうだ!乞食になっちゃえ。

 

ということで、この学派の

人々は、すべてを捨て、

乞食のような生活をして

幸福になる道を探求した

そうです。

 

これまた極端な哲学ですね。

 

 

さて、一番最初に紹介した

「快楽主義」のエピクロスの

思想について、みてみましょう。

 

このエピクロスの

「快楽主義」は、

飲めや歌えや!

欲にまかせて

やりたい放題

快楽にふけることでは

ないそうです。

 

 

へぇ〜〜〜

 

ついつい欲望のまま

突き進め!と

解釈してしまいそうに

なりますが、

どうやら、そうではなく

自分の中に沸き起こる

 

普通の欲望。

 

お腹が空いたら、食べたい

喉が乾いたら、飲みたい

寒かったら、暖かくしたい

暑かったら涼みたいといった

普通の欲求を肯定

しましょうというも

のだそうです。

 

なるほど

 

つまり、心の平穏は、自然に

沸き起こる普通の欲望を

肯定してあげることだと

説いたわけです。

 

ここのフツーというのが

この快楽主義のキーワード。

 

大金持ちになりたい!

 

名誉名声が欲しい!

 

権力を握りたい!

 

このような欲求の場合、

 

平穏な幸福を手に

入れるのは難しい。

 

だ・か・ら

 

フツー is  Best!!

 

とういうのが、この

「快楽主義」ということです。

 

 

う〜〜〜ん。

 

これまた老荘思想に

近い気がしますね。

 

しかもエピクロスは、

理想として、人里離れて

暮らすことを推奨

しています。

 

これも不老長寿を

願う仙人思想を

彷彿させる内容です。

 

 

学べば学ぶほど、全ての

教えは、たった一つで、

それが、めぐりめぐって

その土地、その国に住む

人々にとって、扱いやすい

思想や哲学、宗教となって

いったのかも

な〜んて思う今日この頃

なのでした。