「グラスホッパー」伊坂幸太郎 著

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暑くなりましたね。

 

私は仕事中、マスクは必須。

 

冷房が効いている職場とはいえ、

 

激しい肉体労働なので、💦

 

コロナにかかる心配より、

 

熱中症にならないか心配。

 

 

 

さて、ここのところ、

 

哲学、宗教、占いに

 

特化した本をチョイスして

 

きましたが、私が苦手とする

 

小説系を読んでみようと、

 

いつもお世話になっている

 

AmazonUnlimitedで探してみる。

 

すると、何やらめっちゃ

 

レビューのついている

 

本があったので、ポチってみました。

 

それが、今回のお題

 

「グラスホッパー」です。

 

伊坂幸太郎さん、

 

有名な作家さんですね。

 

お名前は聞いたことが

 

あったけど、本を読むのは

 

初めてです。

 

あ!でも「魔王」はテレビで

 

見たような記憶があります。

 

 

 

さて、この本ですが、

 

話は、主人公の鈴木が、

 

妻の復讐のために

 

危険な組織に自ら潜入し、

 

組織から疑われないように、

 

悪人になり切ろうと

 

しているところから

 

物語は始まります。

 

そして、事件は起こります。

 

鈴木が復讐のターゲットと

 

していた、悪の集団「令嬢」の

 

社長の息子が、殺し屋の一人

 

「押し屋」に殺され、

 

自殺屋の「鯨」、

 

ナイフ使いの若者「蝉」、

 

押し屋の「槿」、

 

そして、主人公の鈴木

 

それぞれの物語が、

 

交差していきます。

 

 

 

 

物語はフィクションですが、

 

世の中には、

 

とんでもない仕事が

 

あるんでしょうね。

 

 

私がまだ二十代のころ、

 

ある国のリゾートホテルに宿泊中、

 

バーで友人と飲んでいると、

 

その国の日系ホテルで

 

コックをしているという

 

男性が、声をかけてきたので、

 

色々話を聞いていると、

 

日本の怪しげな

 

ご商売の人たちが、

 

度々やってきては、

 

現地の貧しい人に

 

お金を渡し、簡単に人を

 

殺していると言っていたのを

 

思い出し、こういう世界は

 

本当にあるのだろうと思えた。

 

 

読んでいて気がついたのだけど、

 

殺し方がかなりエグい。

 

私は、この手の本を避けてきたので

 

「鯨」が議員秘書を自殺に

 

追い込んでいく

 

場面は、読んでて辛くなりました。

 

でも、読み進めていくと、ハラハラ

 

ドキドキ。どうなる?

 

展開も早く、とても面白かった。

 

 

 

さて、特に心に残った場面

 

 

(No.2740-2743)

 「たぶん、わたしたちってさ、

 

自分の目の前に、敵の兵隊が

 

立ちはだかっても、

 

戦争の実感は湧かないかもね」と

 

彼女は言い、「今まで世界中で

 

起きた戦争の大半は、みんなが

 

高をくくっているうちに

 

起きたんだと思うよ」と

 

残念そうに肩をすくめた。

 

やはり君の言う通りだ。

 

すっかりその言葉を忘れていた。

 

薬指の指輪に神経を集中させながら、

 

思った。

 

「世の中の不幸の大半は、

 

誰かが高をくくっていたことが

 

原因なんだってば」その通りだ。 

 

ほんとそれ。

 

自分の身に何かが起こらなければ、

人はいつだって、たかをくくっている。

でもそうでもしないと

やっていられないのも事実。

 

 

(No.3290-3292)

その頁、読んでみろ。

 

こう書いてある。

 

『そして、誰よりも自分を

 

うまく欺せる者が、誰よりも

 

楽しく暮らせるってわけですよ』

 

どうだ、あんたは自分を

 

うまく騙してるか?」

 

「俺は、自分を騙しちゃいない」

 

「だから、楽しく暮らせねえんだな」

 

 

あんたは自分をうまく騙しているか?

 

これぞ仏教であり、ヨギーじゃんね。

 

騙す=悪いと捉えてしまうけど、

 

自分を騙すということは、

 

自分を俯瞰し、心をコントロール

 

しているわけだから、これぞ

 

ヨーガ や仏教の教えと

 

言えるのではないだろうか?