正義を振りかざす「極端な人」の正体 山口真一 著

著者の山口真一さんは、

ご専門は計量経済学だそうで、

ネットメディア論、情報経済論、

情報社会のビジネスなどについて

研究されている方です。

 

 

正義を振りかざす「極端な人」の正体

 山口真一 著



この数年、炎上しない日がないくらい、

ネットは罵詈雑言で溢れている。

意見が違うという理由だけで、

相手を「敵」とみなし、激しく批判する人。

不謹慎な行為をしたと誹謗中傷を繰り返す人。

なぜこんなに不寛容な人が増えたのだろうか?

この本は、自分は正しいことをしていると

思い込んでいる人のことを「極端な人」と

表現し、彼らの正体は、どんな人なのかを

検証している本です。

また、自分が「極端な人」にならないために

どうしたらいいのかがわかります。

 

 

著者の検証による「極端な人」の

年収や男女比、属性などの数字が

あげられていたが、それほど大きな

差はないように思えた。

 

 

 

でも炎上参加者はたくさんいるので、

「極端な人」も同数いるかと思いきや、

炎上したコメント数のIPアドレスを調べると

同じ人間が何度もコメントを書いていたそう。

なので実際、「極端な人」はとても

少ないのだそう。

 

それが本当なら、その数人の

エネルギーたるや恐るべし。

違うところに使うことはできないものか。

 

さらに驚いたのは、「極端な人」の

年齢層が中高年に多いということ。

 

暇なんだね。

 

今までは、ネットにおけるマナーや法律が

曖昧だったが、「極端な人」たちのおかげで、

今後は様々な対策が取られると思う。

 

つい先日、Twitterの買収に成功した

イーロン・マスクが、Twitterは

実名にするとまで言っているそう。

果たして、これまでネットで息巻いていた

人々は実名で同じ行為ができるのか、とても

興味深い。

 

が!!

 

この本によれば、彼らのほとんどが、

正義感から誹謗中傷を書き込んでいるので、

そう簡単ではないという。

 

正義中毒という概念である。中毒になって、

それで不満を解消しているような人が、

ちょっと実名性になったからといって、

果たしてその快楽に争うことが出来る

だろうか。自分の正義の鉄砲によって

相手が社会的制裁を受ける様は、それほど

までに美味なのである。

 

自分のことは棚に上げ

自分の価値基準で人をジャッジする。

全く自分を疑わない怖さ。

 

なかなか手強いね。

 

 

法律や企業が、自由な発言を抑制すると

なると、これまた極端な方向に

向かいやすいし、どうしたものか・・・

 

結局のところ、私たちがその「極端な人」に

ならないよう努力するしかないようだ。

 

著者によれば、

 

もしテレビの前で声を

荒げて批判しているとしたら、

「極端な人」予備軍である。

「自分はこの人たちと違って

正しいんだから批判して当然」と思った時、

あなたは正義中毒に侵されているのだ。

 

 

あ〜数年前の私だ。

実は、このブログを立ち上げる

数年前まで、全く自分が見えておらず、

可哀想に、私も正義マンだった。

ネットに投稿したことはないけどね。

 

どうして気がつくことが

できたかというと

本のおかげだと思う。

 

他人のことばかりを見て、

自分のことを全く見て

いなかったのよね。

 

 

著者が勧める

「極端な人」にならないための5箇条

  • 情報の偏りを知る
  • 自分の「正義感」に敏感になる
  • 自分を客観的に見る
  • 情報から一度距離をとってみる
  • 他者を尊重する

 

つーことで、やっぱり、本をたくさん読んで、

視野を広げ、情報の偏りを防ぐことが

一番だということがわかった。