「百歳日記」 まど・みちお 著

今、クリスマスの準備で、

本職が大忙し。家に帰ってからも

ちまちまと内職をしている。

 

そんなこともあって、ブログの

更新が滞ってしまった。反省。

 

でも読書は続けてるんだYo ♪〜〜

 

そしてなんと!

 

Kindleアプリで確認したら、

今年読破した本が(漫画も含む)

 

84冊になってた。

 

紙の本もたくさん読んだので、

100冊は読んだと思う。

 

ひゃっほ〜〜

 

昨年は、ブログ更新を100回に

することができたけど、今年は

目標に届かず残念。

来年は、読書、ブログ共に

 

100冊100回を目指したいね。

 

読書に対して、それほど

抵抗がなくなってきたことも

あり、最近は、仕事帰りに

図書館に通うようになりました。

 

 

f:id:uranairen:20211214125421j:plain

pixabay

 

先日、図書館へ行った際、

たまたま目にした本が

 

「百歳日記」まど・みちお著

 

なぜこの本を手に取ったか

というと、”百歳”になった人の

心境、見ている世界を、私も

感じてみたかったから。

 

てんとう虫の話を読んでいて、

子育てや仕事に追われている

頃は、全く見向きもしなかった

身近な自然。

 

p66 小さな生き物

あんなに小さい、ひとしずくの

涙みたいな生き物を見ると

いじらしく見えるもんです。

 

 

私も最近は、外へ出た時に

目にする生き物全てが愛おしく、

心の中で、「頑張って!」と

声をかけてしまう。

 

p77  タタミイワシ

タタミイワシというのは

イワシの赤ちゃんを何千何万

ちゅうてまとめて、薄くかため

て乾かしてあるのです。よく見ます

と、所々の黒い点々は目です。

ひどい話です。

 

「ちょっとあぶって、少し

おこげができるようにした

ほうが香ばしくておいしい」

なんて言いながら、私はそれを

毎日食べてとるのだから、

肉を食べないと言ったって、

これこそ大残酷な

男なのでございます。

残酷の限りを尽くして、こんなにも

寿命を延ばしているのでございます。

 

 

 

そうなんです。

 

ゴキブリが部屋の隅にササっと

出てこようものなら、追いかけ

回して悪魔のスプレーを吹きつける。

 

考えてみれば、姿形が気味が悪く、

コソコソしているというだけで、

彼らは私たちの生活にそれほど

影響を及ぼす存在じゃない。

 

暗闇でジッと姿を隠して生活を

している彼ら。

 

ところが時々、無数にいる中の

たった一匹がそんな生活に嫌気が

さしたのか、うっかり出て来て

しまったばかりに起こる悲劇。

 

あーなんて私は残酷な人間

なんだと思いながらも、

小さくて丸くて黒いやつを

部屋の隅々に置いてまわり、

彼らの抹殺を企む。

 

ある時は空を見上げて、

飛び回る小さなスズメは、

腹を空かせていないだろうか

心配しながら、鳥の唐揚げを

食べている。

 

どんなに善人ぶっても私の中には、

天使と悪魔が本当に存在しているのだ。

 

 

p137 れんしゅう

今日も死を見送っている

生まれては立ち去っていく

今日の死を

自転公転をつづけるこの

地球上の

すべての生き物が 

生まれたばかりの

今日の死を毎日見送り

つづけている

なぜなのだろう

「今日」の「死」という

とりかえしのつかない大事が

まるで

なんでもない「当り前事」の

ように毎日毎日くりかえされる

のは つまりそれは

ボクらがボクらじしんの死を

むかえる日にあわてふためかない

ようにとあの

やさしい天がそのれんしゅうを

つづけてくださっているのだと

気づかぬバカは

まあこのよにはいない

だろうということか

 

私の体の中の細胞も日々「死」を

迎え、うんちやふけとなって

去っていくし、春には

あんなに勢いよく咲いていた

草花も冬になれば、木枯らしが

吹く頃にはその姿はない。

 

毎日こんなにも身近なところで

「生」と「死」が

繰り返されているけど、そうか

れんしゅうだったんだな。

 

 

私は初めてまど・みちおさんと

いう方を知ったのだけど、

図書館に返したくないと

思えるほどほど、優しい

気持ちになれる本でした。

 

p19

私は、小さいノートを日記帳にして、

そこに書き込んでいます。

新しいノートを初めて使うときには、

必ず「よろしくお願いします」と

ノートにあいさつをします。

 

元々は立派な木か何かだったのに、

こんな紙にされちゃってね。

 

 

特にここ。

ただのモノじゃないことを

重々理解し、モノと対話して

いるまどさんの感性が好き。

 

まどさんは、すでにあの世へ

旅立たれているけど、この

出会いに感謝します。