「無理の構造」 細谷功 著 耳がイタタタタ

今日とある記事を読んでいたら、

 

冬眠をしない動物に、

 

コチョコチョと特定の細胞を

 

いじる実験をしたら、

 

なんと!!冬眠させることに

 

成功したそうだよ。

 

 

難しい病気にかかっても

 

その薬が開発されるまで、

 

冬眠するなんていう、昔見た

 

SF映画のような未来が

 

そろそろやってきそうです。

 

 

 

 

さて、話は、まったく違いますが

 

今日のテーマは、

 

「無理の構造」という本を

 

題材に、人間の矛盾を受け入れ、

 

引き気味で自分を見つめよう!

 

というおはなしです。

 

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まずは、本とは、全く関係のない

 

お釈迦さまのお話から。

 

ある日、キサーゴータミという

 

女性が、小さな赤子を抱き抱え、

 

お釈迦さまに子供の病気を

 

治してほしいとたずねてきました。

 

見たところ、その子供は

 

すでに息をしておらず

 

亡くなっていたのでした。

 

ところが、この母親は、

 

助けてほしいの一点張り。

 

すると、お釈迦さまは、

 

「病気を治す方法を教えてあげよう。

 

まず、町に行き、今まで

 

ひとりも死者が出たことの

 

ない家を探しなさい。

 

そして、その家から、けしの実を

 

もらってきなさい。

 

そうすれば、子供の病気は治ります。」

 

 

と、言ったそうです。

 

喜んだ母親は、急いで町に行き、

 

一軒一軒

 

「お宅で亡くなられた方は

 

いませんよね?」

 

とたずねて歩きました。

 

すると、どこの家でも

 

おじいちゃんがこの間・・

 

おばあちゃんが病気で・・・

 

小さな子供が・・・

 

という返事がかえってくるのでした。

 

 

そして、キサーゴータミは

 

やっと自分の子供の死を

 

受け入れることができて、

 

このあと、お釈迦さまに弟子入り

 

したそうです。

 

 

 

私も一昨年、がんを疑われ、

 

結果が出るまで、この

 

母親と同じだったと思います。

 

 

「なんで私だけが?」

 

 

という思い込み。

 

そう

 

本当は、私だけじゃない。

 

 

さて、そんな思い込みを

 

ぶった切ってくれる本が

 

今日の課題図書。

 

 

「人間の心の中心」とは

 

何でしょうか?

 

それは「自分自身」です。

 

すべての人には「自分」という

 

中心が存在し、これをベースにして

 

ものを見て、そして考えます。

 

したがって、自分が他人を

 

見る目と、他人が自分を見る目は

 

決定的に異なっているのですが、

 

あまりに当たり前のこのことを

 

人はしばしば忘れてしまいます。

(Kindle の位置No.819-822)

 

 

自分のことは特別だと思うが、

他人のことは一般化して考える

 

自分の成功は実力だと思うが、

他人の成功は運がよかったと思う。

 

失敗は逆で、他人の失敗は

実力だと思うが、

自分の失敗は運が悪かったと

思う

 

このほか、人間

「いかに自分がかわいいか」の

例はいくらでもあげられるでしょう。

(Kindle の位置No.829-832)

 

人間がいかに自分勝手なものの見方しか

できないかというのは、

「自己矛盾」という言動となって

現れます。

 

例えば以下のようなものです。

 

「ネットで他人の批判ばかり

言っているやつは許せない」

というSNSの投稿

 

「代案を出さずに反対するのは

やめろ!」という「反対への反対」

 

「人の言うことは鵜呑みにするな」

というアドバイス

 

「かけ声だけじゃなく行動が

すべてだ!」というかけ声側から

見ていると、笑い話のような

これらの発言ですが、

 

当人は大真面目でまったく

気づいていないということは、

日常的によく起こっているのでは

ないでしょうか。

 

心理学などでいう「メタ認知」

という考え方ですが、

 

いかに自分を上から見られるか、

言い換えれば、「自分」という

「宇宙の中心」を離れて、

 

いかに自分自身を

宇宙空間の真っ只中に

放り込んで、

 

他のすべての物体と同等に

見られるかということです。

 

私たちが

 

世の中に抱く

 

「理不尽さ」は、

 

起こっている

 

現象が

 

原因ではなく、

 

自分たちの頭の中に

 

あるのです。

 

人間の頭の中こそが

 

理不尽である、

 

ということを

 

受け入れられれば、

 

「理不尽」が「理」に

 

変わります。

 

逆に、受け入れられなければ、

 

すべては「無理」に変わります。

(Kindle の位置No.860-869)

 

 

 

そうなのよね。

理不尽なことは、

山ほどあるけど

それを「なんで私だけ?」と

考えてしまうから

不幸になる。

 

自分を見つめる時、

どれだけズームアウト

できるかが、心の平穏を

保つ秘訣だと

思う今日この頃なのでした。